Raleigh Japan Societyは、英国の非営利団体Raleigh Internationalの日本窓口です。世界各国の若者が大自然の中で共同生活をしながら冒険、環境、地域貢献をテーマに様々なプロジェクトを行います。

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高柳俊成さん(1期:チリ)
後藤香代里さん(2期:ニュージーランド)

高柳俊成さん(1期:チリ)

高柳さんはORでいつ、どこに行き、何をされたのですか?

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私は一期の最後のフェーズで、1985年の大晦日から3ヶ月間、南米のチリに行きました。もう32年も前の話ですね。世界各地から120人ほどの若者が参加したのですが、私のグループは30人くらいで、首都サンチャゴからまずプエルトモントという港町まで下り、そこから地元の漁師さんが使う小さな5曹の船に分乗して、両側が島で囲まれている海峡を船を漕いで旅をし、3週間かけて南の氷河地帯、サンラファエロまで移動しました。そのサンラファエロにはベースキャンプがあって、そこで氷河の科学調査、氷河上流への探検プロジェクト、氷上でのアイストレーニング、公園の道路整備プロジェクトなどをしました。

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ORに参加したきっかけは何だったんですか?

当時、大学生だったのですが、自分はありきたりなくせに、というか、ありきたりだったからこそ、このままありきたりな人生を歩いて行くのは嫌だ、なんて思っていました。今思うと大げさな感じで、ちょっと苦笑してしまいますけど。自分を変えるきっかけを探しているようなところがあって、そんな時にヨットの雑誌に載っていたORの公募広告を目にしました。「冒険」という言葉に強く惹かれて、とてもやってみたいと思いました。

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その時の思い出、大変だったことなどあったら教えてください

船を漕いで海峡を下った3週間がとても大変でした。準備に手違いがあったと思うのですが、船に積んだ食料が圧倒的に少なかったのです。自分たちで魚や貝、木ノ実などを採ったりもしたのですが、全然足りず、いつも空腹でした。また、一日分船を漕ぎ終わると島に上陸して寝場所を探すのですが、テントを持っていた人は少なく、私は2人の仲間と持っていた大きめのビニールシートを屋根にして寝ていました。ほとんど毎日雨が降り、そんなビニールシートのシェルターでは衣服も寝袋もかなり濡れてしまうことがよくありました。そして船を漕ぐのはかなりの重労働。みんな、空腹で、濡れて、疲れていました。すると人は「楽しく仲良く」とは行かず、食べ物で争い、寝場所で争い、お互いグループを形成して反目し合い、人間関係は一時かなりギスギスしたものになりました。その上自分には英語でのコミュニケーションというストレスもありました。

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しかし、夜中、用を足すためにシェルターから抜け出したら、雨は上がって、そこには満天の降るような星空。星明かりだけで砂浜が歩ける。天の川が雲のように走り、その中に南十字星。大マゼラン、小マゼラン星雲も見えるし、星がよく流れる。焚き火の残り火がまだ微かに残っていて、思わず呆然として、「ああ、遠い南の国を旅しているんだなあ」という感慨に耽る、なんてこともありました。

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そしてそんな中で一緒に過ごしたシンガポール、香港、イギリス、チリの若者とは本当に仲良くなり、全てのプロジェクトが終わって別れる時にはみんな大泣きしました。

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今は何をされているのですか?そしてORでの経験は何らかの形でその後の人生に影響を与えましたか?

私の場合、ORが直接の変曲点になってその後の人生が劇的に変わった、ということには必ずしもならなかったと思います。当時はそんな自分に少しがっかりもしたものです。大学に戻り、卒業し、理科系の同級生の多くがそうするように国内の電機メーカーに就職しました。2001年からはカリフォルニア州のシリコンバレーに渡り、スタートアップの会社などを経た後、現在は携帯電話などで使われる半導体部品の設計開発に携わっています。

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しかしORでの経験は、静かだけれども確実に私の人生に影響を与えたと思います。やはりあの3ヶ月は、今思い返してもとても特別で、宝物のような経験でした。肉体的にも精神的にもとても大変だったあの3週間を、やせ我慢しながらも最後まで紳士的な態度を貫けたという自信。異なる言葉、文化、背景を持った同じ年代の若者同士が、せめぎ合いながらも一緒に活動した経験。大きな自然の中で過ごした時間。そして身につけた少しの冒険心。これらが、時に少しづつ自分を押していって、自分が今の場所にいるのだと思います。

今後の目標、夢などは?

もうかなりのおじさんになってますから、仕事面での野心というのはあまりないですし、大げさな自分の夢というのもあまりないです。夢を持っている人を応援する方でやっていきたいと思います。

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あっ、でもORのことを知るきっかけにもなったヨット、これは一人乗りの小さな船なのですが、こちらの方はマスターズの大会でいつか世界で10番以内に入るのを目標にして、今もよく練習しています。

後に続く人へのメッセージなどありましたらお願いします

最近ORに参加した方の活動報告などを聞くと、今の若い人の方が、あの時の自分よりも、もう断然しっかりしてるなあと感心します。だから、メッセージは、特に思い浮かばないです。行って、色々な経験をして、安全に帰って来てください。

後藤香代里さん(2期:ニュージーランド)

ORでいつ、どこに行き、何をしたのか?

1986年12月~翌年3月まで、第2期生としてニュージーランドフェーズに参加。世界各地から100名ほどが集まる中、日本人は私を含め6名。国立公園のふもとに設置されたベースキャンプを拠点に、登山道の整備、絶滅危惧種の鴨の調査、児童養護施設でのボランティアなどを行いました。他の国の参加者からは、パラダイスのようなフェーズ(プログラム)だと言われました(笑)。時に熱いシャワーを浴び、アイスクリームを食べに町に出かけたりしていましたから。

全員集合写真

ORに参加したきっかけは?

高校2年生のとき、留学先のアメリカから帰ってからの私は、何か物足りない・・・、私のこれからの人生どうなるんだろう?と、悩める日々を送っていました。そんなある日、父がORの募集広告を私の目の前に広げたのです。ピピピっと電流が走りました。私はすぐにこれだ!と思って、ペンを握りました。きっとそこへ行けば、私の人生の羅針盤が見つかるような気がして。

英国本部を訪ねて

その時の思い出、大変だったことなどは?

まずは大変だったこと。日本人の中でもとりわけ背が低い私にとって、ジャングルの中を歩くことがとにかく大変で大変で・・・。常に小走り状態の私は、自分の足の遅さをのろい、自分を責めていましたが、ある日、グループのメンバーに「私に先頭歩かせて!」とおそるおそる提案してみると、みんな快諾!ほかにもペースの遅い人が交代で先頭を歩くことで、列が乱れて遅れる人にイライラする人もいなくなって、みんなハッピーに活動することができました。

現地で買った防寒具

思い出というか、日本に帰って来てから気づいたのですが、NZの緑の美しさ、空の青さは本当にすばらしかった!!!東京の空港に降り立ったとき、その日は晴天だったらしいのですが、私には曇天にしか見えなくて・・・。いつかあの青空の下、自分が作った登山道を歩きたいと思っています。

今は何をしている?ORでの経験はその後の人生に影響?

はい、大きく影響を受けました。NZにいたとき、「私は地球の一部だ、地球に生かされている!!!」と感じた私は、なぜだか「大学にはもう私の居場所はない!」と思ってしまい、大学を退学し、ORの参加者の大多数を占めていたイギリスへ放浪の旅に出ました。帰国後は、外国人と自然の中で仕事をしたり、海外へ日本の文化を紹介する仕事をしたりしました。上の子どもたちの手が離れた3年前に岐阜の山奥へ移住。現在は、主人、末っ子、犬、猫と田舎暮らしを楽しみながら、なんちゃって家庭菜園したり、名古屋の大学で翻訳や看護英語を教えています。

家族と

その他にも地域でさまざまなボランティア活動をしていますが、その根底にあるのは常に「私は地球の一部」という思いです。そういう意味では、NZでの3か月間が私の人生のベースを築いてくれたと言っても過言ではありません。

カヌーキャンプ

今後の目標、夢は?

この地球に生まれた者同士、誰もが笑顔で暮らせるようになりますように!というのが私の願いです。若い頃は自分のこと、家族のことで精いっぱいでしたが、残りの人生は、今まで受けた恩を次世代へ送る、「ペイフォワード」の映画のように暮らしていきたいと思っています。

大晦日に神輿をかついで

後に続く人へのメッセージ

若いうちは、後先のことはあまり考えず(笑)、魂に響いたことにどんどんチャレンジしていってほしいですね。私の人生、まさに山あり谷ありいろいろありましたが、振り返ってみるとすべてに学びがあって、意味があったと思えるし、これまでなかなか良い人生を歩んできたと感じています。Keep Going!

 

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