Raleigh International Tanzania に参加中の早稲田大学4年、吉田悠斗です。
昨日、3つのphaseのうち、1つ目のcommunity phase が終わりましたので、中間報告をさせてください。

今回のRaleigh Tanzania には40人弱の参加者と10人ほどのボランティアマネージャーがいます。参加者のうち1/3ほどがイギリスから、1/3ほどがタンザニアから、残りの1/3がアメリカやカナダ、オーストラリア、アイルランド、スウェーデン、ベルギー、ポーランドなどの国から集まっている感じです。タンザニアからの参加者は23歳以上がほとんどで最年長が29歳、その他の参加者は18、19歳が大半を占めています。

今日までどのような活動をしてきたかというと、10月8日からの最初の4日間はイントロダクションで、12日から昨日までは1つ目のphaseに向けて3つのグループに分かれていました。今は新しいメンバー6人を迎えて、次のphaseの準備をしています。
イントロダクションはRaleigh の歴史や活動内容、その他メンバーや自分を深く知るためのワークショップ、スワヒリ語のレッスンなどです。他にも夜には映画を見たり、踊ったりなどメンバーの仲は深まりますが、12日にそれぞれの活動場所へと分かれました。

ぼくが最初に活動したのはcommunity phaseのWASHプロジェクトで、衛生環境を改善するために、レンガやセメントを運んでは小学校のトイレを建設をしたり、日曜日の教会前で地域の人に手洗いの大切さを教えたりしました。また各家庭をタンザニア人の参加者とペアになって訪問しては、水道やトイレなど状況についてアンケート調査をしました。これらは自分が小学校の保健体育の授業で習ったのかもしれませんが、日本で当たり前のようにトイレ後や食事前に手を洗ったり、歯や体を洗うのは何故なのかを考えさせてくれました。

驚かさせられたのは、参加者みんなのプロジェクトに取り組む前向きな姿勢です。Raleighに参加する動機としては、タンザニア人の多くはより自分の望む職を得やすくため、その他は大学入学前のギャップタームを埋めるために何かしたいと思ったというのがほとんどかと思いますが、みんなで活動する時間になると、自分から何か仕事がないかと探しては取り組む様子に自分も負けてはいられないという気持ちにさせられます。

一番ショックを受けた出来事は、アンケート調査中に起きたことです。プロジェクトサイトでもあったNundu という市町村単位において最小の地域では、歩いて往復30分の道のりを両手と頭の上に5ℓずつのバケツを持って毎日3往復する必要があったり、似たようにご飯を煮炊きするためなどに遠くから木材を集めたり、野菜や果物を育てる土地もお金もなくて食べたくても食べられない、衛生環境が悪いがゆえに父親を早いときになくした、足や目に障害を持っていて家に引きこもりきりの親がいるなど、1日1日を生きるのに精一杯の家庭を数多く目の当たりにしました。質問項目の最後は、「何か改善してほしいことがあったら提案してください。」というような趣旨のものですが、ある家庭を訪ねたときに「あなたたちは私たちに何かを与えてくれるの?」と問われたときは胸が詰まる思いでした。

レンガを運ぶことに疲れて、仰向けになって体を休めては、突き抜けるような青い空に流れる雲をぼーと眺めていると自分は何がしたいのだろうかと無性に心の中が空っぽになってしまうような思いに駆られたのを今でも覚えています。

明日からは、2つ目のphase であるトレッキングが始まります。こちらは朝晩は凍えるように寒く、昼下がりは日照りが厳しく燃えるように暑い気候です。体調や怪我に気をつけて最後まで完歩することを目標に頑張りたいと思います。

早稲田大学4年 吉田悠斗